医療機関では、有効期限切れによる医療材料の廃棄が、目に見えにくいコストとして経営に影響することがあります。廃棄ロスは購入費用の損失にとどまらず、保管スペースの圧迫や、在庫の偏り・欠品などにつながる可能性があります。
本ページでは、期限切れ廃棄が発生する主な原因を整理したうえで、FIFO(先入れ先出し)運用や使用期限アラート機能など、現場で実践できる具体的な削減策を解説します。
期限切れによる廃棄は、購入費用の損失だけでなく、在庫管理や保管スペースにも影響を及ぼします。廃棄が頻発する材料は、使用量に対して在庫量が多い、発注量が適切でないなど、管理手法そのものを見直すサインでもあります。また、期限切れ間近の在庫が棚を占有すると保管スペースが圧迫され、新しい在庫の受け入れや棚卸作業の妨げにもなります。
さらに、医療材料の使用期限を適切に管理することは、医療安全の観点からも重要です。期限管理が不十分な場合、使用期限を過ぎた材料を誤って使用するリスクがあります。また、在庫量が適切に管理されていなければ、必要な材料の欠品につながる可能性もあります。期限管理は、コストだけでなく、安全かつ安定した物品供給のためにも重要な取り組みです。
期限切れ廃棄が発生する背景には、いくつかの共通したパターンがあります。
期限切れ廃棄を防ぐ基本的な考え方の一つが、古い在庫から先に使用する「FIFO(First In, First Out)」です。さらに、医療材料のように使用期限が設定されている物品では、入庫日だけでなく期限の近いものから先に使用する「FEFO(First Expired, First Out:先期限先出し)」の徹底が重要になります。これらを現場で機能させるには、システムだけでなく棚配置や補充ルールも整える必要があります。
棚配置や運用ルールだけでは、担当者による確認作業が必要になります。使用期限が近づいた材料をシステムが検知し、担当者に通知するアラート機能を導入することで、目視確認に頼る範囲を減らせます。
さらに、RFID(無線ICタグ)を材料に付与することで、複数のタグをまとめて読み取る仕組みを構築でき、棚卸や期限確認の効率化につなげられます。実際に医療材料の管理にRFIDを導入し、使用期限やロット情報の管理、使用実績の把握などに活用している事例もあります。RFIDによる管理では、タグの読み取りやシステムとの連携などの運用が必要になるため、自院の業務フローに適した仕組みを検討することが重要です。
部署ごとの個別管理では、ある部署で余っている材料が別の部署で不足しているといった「偏在」が起こる可能性があります。院内全体の在庫を一元的に把握できる仕組みを整えれば、期限が近づいている材料を必要とする部署へ院内融通することで、廃棄ロスの抑制につなげられます。SPDによる一元管理も、部署ごとの在庫状況を把握し、院内での在庫を有効活用する方法の一つです。
医療材料の期限切れ廃棄は、コストや保管スペースだけでなく、安全かつ安定した物品供給にも関わる課題です。FIFO・FEFO運用による期限を考慮した在庫管理に加え、使用期限アラートやRFIDなどの仕組みを活用することで、期限管理の効率化や廃棄ロスの抑制につなげられます。自院の期限管理体制に課題を感じている場合は、これらの機能や業務に対応したSPD事業者への委託を検討してみてはいかがでしょうか。

ここでは、SPDサービス導入のよくある目的別に各事業者の強み、他社との違いやおすすめの病院をまとめました。